本当に何もないのでしょうか?
本当に何も出来ないのでしょうか?
本当に何も知らないのでしょうか?
本当に何も分かっていないのでしょうか?
特別に出来る何かがない。
他人より秀でた何かもない。
自己顕示欲が強い為に
劣等感と嫉妬ばかり生まれて
自己嫌悪も甚だしい。
そうやって『自分』を見出すので
私は何もないのでしょう。
自分なんてなくていい。
正確にははっきりと、それは必要ない。
適当でいい。曖昧でいい。
よくわからない、大概が気分であるのだから。
けれども確立しようとする。
それは頑として揺らいではいけない、とでも言うように。
しかし定まらないので、益々嫌悪する。
おまけに虚勢を張り過ぎた。
実像より誇張した自分こそ真実だと言う。
そうして嘘を言うので、永久に見失うのだ。
硬質なガラスの張りつめた糸が切れた時、
パァン、と爆発するように全てが粉々に砕けた。
これは本当の自分じゃない、などと言って認めない。
そうやって理想に叶わない自分を認める事が出来ない、
プライドだけが高い、実はお粗末であるものこそが自分だ。